ブログ六本木店

2017.5.19

新緑の季節

新緑が映える季節となってまいりました。桜は去ってしまいましたが、葉桜も清々しく素敵なものです。今年は日が悪く花見の日に天気がぐずってしまったので『花見酒』が出来なかったのが心残りですが、、、来年のおてんとう様に期待です。

 

新緑の季節になりますと爽やかな食材が、楽しみな季節です。

 

著名な句に『目には青葉 山ほととぎす 初鰹』山口素堂

 

この句は『目』には新緑の青葉が気持ちよく、『耳』には、山にはほととぎすのさえずりが心地よい 『口』には初鰹の小粋な味が広がる といった五月の風物詩を読んだものです。

 

新緑の季節にお勧めの素材 初鰹と山椒

初鰹、美味しいですよね。江戸時代は、現在の価格でいうと一匹『10万円』もしたそうです。『女房を 質に入れてでも 初鰹』という狂歌があるくらいです。現在では、そんな歌、歌ったらカミさんに逆に質に入れられてしまいそうですが、、、肩身の狭い私は特に、、、

 

初鰹の魅力は、なんといっても赤身のもっちりした美味しさ。酸とうまみのバランスがたまりません。小粋に食べるのなら『和芥子』と『土佐醤油』(鰹節と昆布を加えた醤油)が最高です。こいつに、純米の日本酒を合わせると美味しさの無限ループにはまり込みツイツイ飲みすぎてしまいます。私の様な酒が得意でない人間にはたまらないです。健康診断の数値が、、、

 

山椒を使った料理

青葉と言えば、見るばかりではなく今の時期、最高の食材山椒が出回ります。

まず『葉』の部分は『木の芽』と言われる日本の代表的なスパイス、和食には無くてはならない食材です。爽やかな青々しい香りとほのかにピリリと来るのが魅力です。お椀の『口』に、焼物に刻んで振りかければ見た目も良く香りもたち素晴らしいです。味噌に練り込んで『木の芽味噌』にして田楽味噌の代わりに使えば初夏らしい一品になります。

 

花山椒 六本木店写真①

そして、一瞬しか出回らない、この時期の青味における最高級品『花山椒』様が御座います。今年は、不作で例年の三倍以上の価格になりました。百グラム2万円以上という恐ろしい価格に手も出せないと思いきや、この時期だけはどうしても外せないという猛者たちが採算度返しで仕入れて行きます。文字通り山椒の花の部分です。香りはと言いますと柑橘類を思わせる香りで、食感はプチプチと楽しく、食べた後に清々しい辛味が通り抜けます。

 

どうして高値かと言いますと美味しいのはもちろんの事、ご覧になれば解りやすいのですが、摘むのがすごく大変で期間が短いというのが理由となります。

 

料理法と言いますと、獣肉との相性が抜群で、牛肉の薄切りを炊いた物と絡ませたりします。最近では、話題のジビエに合わせるのが流行っています。特に、月の輪熊や、いのしし等と共に食べるのは美食家たちの垂涎の的となっているようです。

 

当店では、最高級の近江牛と筍を炊合せて絡めて食べて頂いたり、すき焼きにかけて頂いたりしています。私のオリジナルとしましては、桜海老のひろうすと合わせたお椀が有りましてお客様からも支持頂いております。

 

実山椒を使った料理

そして、『身』の部分『実山椒』が、実り始めます。

強い辛味と香りが特徴です。

主に煮物の香りとして使います。一番有名なものに『ちりめん山椒』(ちりめんじゃこと山椒の実を炊いた物が御座います。料理人たちが個性を出し炊き競い合うのも魅力の一つです。こちらはご飯のおともに、酒のあてにと重宝される万能選手。日本酒との相性抜群で御座います。

この実山椒、私が駆け出しのころ枝から身の部分だけを摘む作業がございまして、プチプチ摘んでいくのですが眠くて眠くてこっくりしようものなら先輩の叱咤が飛んでくるのでそれはそれは大変な思いをしながら摘んだのを覚えています。1キロ箱が来るとゲッソリしながら駆け出し仲間と摘んだものでした。今では良い思い出ですが。

 

というわけで当店でも、新緑の恵みと、美味しいお酒取り揃えております。気持ちの良い風に誘われて香水亭六本木本店を、是非ご利用くださいませ。

 

花水木 六本木店写真②

香水亭六本木本店 料理長 鶴水与作

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