ブログ六本木店

2017.10.17

鰆のおいしい季節

秋晴れ続く今日この頃、秋の味覚が楽しみな季節がやってまいりました。

 

 

本日は鰆について少々お話させていただきたいと思います。

 

 

さわら

 

なぜ今、鰆?と思われた方も多いかと思いますが、この鰆、春という漢字が含まれておりますが、産卵の5~6月を除いてほぼ年中市場に姿があるのです。

 

でも春って漢字が含まれているのだしこの時期の物はそこまで美味しくないのでは?と思われるかもしれませんよね。

 

安心してください。

 

ご存知かと思いますが、鰆は出世魚で、成魚(およそ体長70cm以上)の物のことを鰆と呼びます。そしてこの鰆、まさにこの時期から獲れる鰆から脂がのり始めるのでとても美味になっているのです。

 

もちろん春が旬なので鰆と書き、春の季語にもなっているのですが、これは鰆が5月~6月にかけて産卵のために外洋から押し寄せてきて、大量に獲れる時期であったことが由来と言われております。

 

瀬戸内の方ではこの時期に真子や白子と共に食べる文化があるそうです。

 

しかし関東などでは主に白身の味を楽しむほうが主体なので、寒鰆と言われる産卵前の脂がのった冬の鰆を旬としてとらえていることが多いのです。

 

主な食べ方としましては

 

さわら焼き霜

 

 

やはり焼いて食べるのが一般的に多く知られていると思います。

 

脂ののり加減によって様々な焼き方ができ、冬場の鰆のように脂がのっている物であれば一度塩で余計な水分などを抜き身を締め、シンプルに塩焼きが美味しいですね。

 

また、春先の鰆のように脂が少なめの物でしたらその分淡白な味になりますので、西京味噌などに漬けこんだり、柚子などの柑橘系を加えた調味料に漬け込む柚庵焼き等がおすすめです。

 

 

そしてこの鰆、身がとても軟らかく、身崩れしやすいので味噌漬け等にする場合は他の魚よりも若干長く漬けたほうがおすすめです。

 

また、こちらは鮮度が命ですのであまり見かけないかもしれないのですが、刺し身で食べるのもまた絶品なのです。

 

なぜならこの鰆、脂肪が14~16%に達しているためインド鮪のようなトロリとした食感を味わえることができるのです。

 

とはいえ通常は皮付きで炙って食べたり致します。

 

これは皮と身の間にある独特な香りを活かすためと、身が柔らかいためであります。

 

さらにその柔らかい身質を活かして、煮物や蒸し物にしても美味であります。

 

この様に刺し身、焼き物、煮物、蒸し物と正直何にでもあうこの鰆、我々料理人にとってとても重宝する食材の一つとなっているのです。

 

 

最後にこの鰆、より上質な物の見分け方を少々

 

 

さわら目利き

 

 

 

目の澄み具合やえらの色といったことは通常の魚と一緒なので割愛します。

 

やはりポイントとしましては、その大きさ、脂ののり具合でしょう。

 

脂ののり具合に関しましてはやはりお腹を見るべきです。

 

お腹がへこんでいる物は脂ののりもいまいちで、しっかりと膨らみ、丸みを帯びていて、なおかつハリのあるものを探すと良いでしょう。

 

大きさは、鰆を呼ばれている以上およそ2kgほどは基本的にあるのですが、どうせ狙うなら3~4kgの物を探すと良いと思います。

 

もう一点、脂が乗っていたほうが美味とは言いましたが、実は頭側よりも尾の近くのほうが身の味は良いのです。

 

若干皮は固いのですが、味はより良いので、是非とも一度、意識して食べ比べていただければと思います。

 

 

この様に、夏も終わり、これから冬を迎えるにあたり、先取りの意味も込めて今回はこの鰆を紹介させていただきました。

 

当店でも様々な調理法で使っていく予定ですので、是非とも皆さまに味わっていただければと存じます。

 

当店スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。

 

 

瓢嘻 香水亭 六本木本店  大宅 康平

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