ブログ新橋店

2017.5.4

塩について

皆様、如何お過ごしでしょうか。

今月は料理にはなくてはならない調味料「塩」についてお話したいと思います。

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〈日本の塩事情と製法〉

塩は塩化ナトリウムに、にがりと呼ばれる微量の不純物(マグネシウム・カリウム・カルシウム)が混ざったものです。その資源の違いによって、塩の結晶体として埋もれている「岩塩」、海水を濃縮させて作る「海塩」、塩湖や塩泉からとれる「湖塩」の3つに分かれるそうです。※国内で流通している塩はすべて海塩。

 

〈塩の種類と用途(国内産塩について)〉

国内産の塩の主な種類と、その用途についてみてみましょう。身近なものなので、皆様も日頃の振り返りとしてご覧くださいませ。

・食塩→国内産の塩では一番純度が高い。調味のほか、味噌の仕込み、水産加工品などに使われる。

・家庭塩→やや粒が大きめで、水分を含むしっとりとした塩。漬物や焼き魚などに使われる。

・並塩→主に醤油や漬物の仕込み、水産・家畜飼料などに使われる業務用の塩。それだけでなく、魚を締めたり漬物を作るときなどの調理の下処理にも使われる。

これら以外にも、原塩や精製塩、食卓塩などがあります。最近では、加工塩(胡麻塩、ガーリックソルト、香草や化学調味料入り)も多く作られています。皆様もスーパーなどで目にされることがあるのではないでしょうか。

 

〈塩の効用〉

料理の味付けの他にも、塩には様々な効用があります。いくつがご紹介したいと思います。

・「たんぱく質を締める作用」→魚などのたんぱく質を締める作用があり、調理する前に魚に塩を振ると身崩れせず、生臭みも抑えることができます。

・「防腐作用」→微生物の繁殖を抑制し、腐敗を防ぐことで長期保存が可能になります。漬物や塩辛などの塩蔵品は、この作用を利用したものです。

・「水分除去作用」→水分を除く作用があり、野菜や魚に塩を振ると余分な水分が出て味がのりやすくなりますよ。

・「色を鮮やかにする作用」→緑黄色野菜を塩湯で茹でると、鮮やかな色が出て変色しにくくなりますね。これも塩の作用のおかげです。

・「調味作用」→他の味を調節できます。塩をうまく加えると素材本来の個性が際立ち、旨みが増します。汁粉の砂糖に対しても0.5%ほどの塩を加えると甘みが増したり、酢の物に6~8%程度の塩を加えると酸味が和らぎます。このように他の調味料の効果を塩は調節できます。

 

〈塩の使い方や注意点〉

色々と塩についてみてきましたが、最後に使い方や注意点をお伝えして終わりたいと思います。

・例えば、ご家庭で煮物などを作る際、最初に一気に塩を加えてしまうと組織を締める作用が働いて素材が固くなってしまいます。そして、他の調味料も染み込みにくくなってしまいます。ですので、塩は何度かに分けて加えるか、最後に加えるようにします。

・調味は熱いうちに行いたいですが、温度が高くなると味覚が鈍くなります。そのため、熱いうちにちょうどよい味付けでも、少し冷めると塩辛く感じることがあります。ですので、一般にやや塩味が足りないと思う程度に味付けすると良いです。

頭の片隅にでも置いていただければ幸いです。

私共は、お客様にご満足いただけるよう調味、盛り付けひとつひとつに細心の注意を払いながら提供いたします。

是非当店へのご来店、従業員一同、お待ち申し上げます。

 

瓢喜香水亭 新橋店 料理長 橋口定敏

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